2013年1月4日金曜日

2013.01.04 清水玲奈 『世界の夢の本屋さん2』


書名 世界の夢の本屋さん2
著者 清水玲奈
発行所 エクスナレッジ
発行年月日 2012.07.17
価格(税別) 3,800円

● ヨーロッパに日本を含むアジアと南米を加えた続編。写真がメインだから,旅行ガイドブックのようにながめて,彼の地の光景を感じ取るようにすればいいのかもしれない。

● ホッジス・フィギス書店(ダブリン)の店員さんの話。
 うちの店は歴史がありますが,それが将来の保証になるかといえば,まったくそうではありません。今日私たちがどのような仕事をするかによって,店の将来は決まります。(p49)
● シェイクスピア・アンド・カンパニー(パリ)の店長さんの話。
 優れた本屋をやっていくために近道はありません。私自身もたくさん働きますし,パートタイム5人,フルタイム5人のスタッフたちには十分な給料を支払うとともに,家族のようなきずなを築き,幸せな気持ちで働いてもらえるように気を使っています。ここは放っておいても観光客がやってくるので,『星の王子様』の本とロゴ入りの記念品だけを置いて商売をやっていくことだって可能です。でもそれではつまらない。(p62)
● コープ・アンバシャトーリ書店(ボローニャ)。
 レストランや食料品店の存在が,本の売り上げに直接つながっているわけではない。店では,本を買った人にイータリーでの割引券を配り,イータリーの利用者に本の割引券を配る,という実験をしたことがある。その結果,本を買う人はイータリーに積極的に立ち寄ったが,イータリーの利用者が食料品を買うついでに本を買う割合は低いことがわかったという。(p75)
● シブヤパブリッシングアンドブックセラーズ(渋谷)の店長さんの話。
 今は店づくりも雑誌や本づくりも,雰囲気だけで売れる時代ではありません。お客さんのリテラシーが上がったので,良いものだけが売れる。いってみれば健全な時代です。全国どこで買っても同じ商品を,あえて自分の店で買ってもらうことの意味を感じてもらわなくてはなりません。(p115)
● 紀伊國屋書店札幌本店の店長さんの話。
 一流の本屋があるおかげで市民の生活の質が上がるというより,むしろその逆。いい本を読んでくれる市民がいる土壌にこそ,優れた本屋が育ち,その関係が好循環を生みます。(p120)
 札幌って,かつては一人あたりの書籍購入金額が全国最低の政令指定都市として有名だったんじゃなかったっけ? 今や大型書店がいくつもできて,その汚名を払拭しているんだろうかね。紀伊國屋札幌本店では100万冊が買ってもらえるのを待っているそうだから。

● 恵文社一乗寺店(京都)の店長さんの話。
 書店経営のプロならアマゾンを出しぬけます。洋書は断然アマゾンが安くても,文化的な人であれば,安い店を求めて駆けずり回ったりはしない。食べ物屋にたとえるなら,安くて量が多い店ではなく,「雰囲気がよくて旬のものを出す店」に行きたいと,私は思います。(中略) うちの店は,京都,とくに左京区の文化的な土壌があるからこそ成立しています。そして,京都の文化を支えているのは,寺社仏閣といった観光名所だけではなく,そのような個人商店なのです。(p132)
● エリート書店(台北)。
 台湾人の平均的な読書数は年間4.2冊だが,ここの会員の30万人は,エリートだけで年間12冊の本を買う。(p161)
 こんなものなのか。日本も同じか。本って,読む人と読まない人がくっきりと分かれてて,読まない人の年間読書数は文字どおりのゼロだからね。そういう人が大半であることを考えると,もっと少ないかもしれない?
 が,読まない人が馬鹿で読む人が賢いかというと,まったくそういうことはないと感じてますけどね。

● クルトゥーラ書店(サンパウロ)
 ブラジルでは,大人が一年に読む本は平均2冊に満たない。人口1億9千万人の国全体に,本屋さんは2,300軒(日本の書店数は約1万5千軒)。しかし,経済成長で文化的なものにお金をかけたいと思う人が急速に増えているのを受けて,書店の数は増え続けている。(p171)
 ブラジルでは,本は値段が高くぜいたく品とみなされている。しかし,クルトゥーラ書店の客層は「すべての人たち」。低所得層も,マイカーを買うのと同じように本を買う生活に憧れ、それを目標にする時代になりつつある。(p171)
 店員さんの話。
 とくに売れているのは,ブラジル文学を別にすると,自己啓発本だという印象があります。ブラジルでは今,ビジネスで成功してお金持ちになりたいと希望に燃えている人たちが多いのでしょう(p172)
● アビラ書店(ブエノスアイレス)の店長さんの話。
 アルゼンチンには,「人が本を知れば,二度と孤独に戻ることはない」という言葉があります。(中略) インターネットを通して,情報交換はできても,愛する人の手を握ることはできない。どんなにテクノロジーが発達しても本屋さんが不滅なのは,つまりそういうことです。(p210)

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