2012年11月24日土曜日

2012.11.23 夏目房之介 『本デアル』


書名 本デアル
著者 夏目房之介
発行所 毎日新聞社
発行年月日 2009.05.30
価格(税別) 1,700円

● 書評を編んで一冊にしたもの。一番面白かったのは冒頭の「序 遅読王のため息」。
 問題は,読みたい本はたくさんあるのに,それ以上に読まねばならない本が増えてきたことだ。(中略) でも,事実上無理である。何しろ元が「遅読の王」なのだ。ではどうするか。 どうしようもないのだ。
● こうんなふうに,読者を救済しておいて,内容はけっこう硬派。ぼくにとっては読みごたえがあった。ありすぎたかも。

● 引用をふたつ。まず,『なぜ,御用聞きビジネスが伸びているのか』(ダイヤモンド社)の藤沢久美さんについて。
 日本初の投資信託評価会社を起業した著者だが,彼女に会った印象は,キレる人,デキる女性という感じではない。むしろ,ごく普通の女性である。少なくとも僕の感じたかぎりではそうだし,本人もそういっていた。彼女だけではなく,女性の起業家を取材していると,けっこうそう感じる。ちょっと頑張り屋だが,特別な才能,特殊な育ちとかではないのだ。(p208)
● 『ラッキーウーマン』(飛鳥新社)の竹中ナミさんについて。
 女優,漫才師,マンガ家,水商売を目指し,どれも中途半端のまま十五歳で同棲。高校中退で結婚。二十二歳で母となり,その二年後に生んだ娘は重度脳障害だった。ここから著者の破天荒な苦闘と活躍が始まる。一方で悲惨で,片方で痛快な人生講談。(p223)
 陽性な活力に支えられたシンプルさが必要なのかもしれない。彼女の本を読むと,とにかくあきらめずに明るく進んでゆくと,お金も人材も協力も,それなりについてくるかのように見える。(p224)

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